ブラック葬儀屋尾出安久『ブラック葬儀屋』(幻冬舎新書)

面白そうな本が出たので、さっそくAmazonで注文してみると、次の日に届きました。便利な世の中になったもんです。

僧侶の立場からでは知り得ない情報もあるので、葬儀社さんとお互い本音で話すことも多いのですが、今日はこちらの本を葬儀社の方にお見せしました。しばらくムッと黙って中身をご覧になっていらっしゃいました。

そりゃそうですよね。毎日一生懸命現場で勤められている方からしたら、葬儀業界全て、この本に登場するようなブラック葬儀屋だと思われたら、たまったもんじゃぁございません。ですがご安心ください。岩国市内には、志と情熱を持って、故人やご遺族のために誠心誠意尽くされる葬儀社の方を、私は何人も知っております。今日お話しした方も「自分の親の葬儀を挙げたくないような葬儀社では働きたくない」と明言されました。頼もしい限りです。瑞相寺のお檀家様の中にも「ワシの家では、もうずっと葬儀社もその担当者も全部決まっとる!」とおっしゃる方が何人かいらっしゃいます。

もちろん葬儀社さんだけが、矢面に立たされているわけではございません。今、僧侶の方が風当たりは強いでしょうか。「坊主」と聞いたら、どのように感じますでしょうか?「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」「坊主丸儲け」「三日坊主」「坊主の不信心」「坊主の鉢巻」...書いていると心が折れそうになります。私も多方面からお聞きしますが、この本に登場するようなブラックな葬儀社さんやお寺さん、本当に様々な方がいらっしゃるようです。具体的にはあまり書けませんが。

その一方で、ホワイトな葬儀社さんもお寺さんもたくさんいらっしゃいます。イオンのお布施一覧にしろ、Amazonのお坊さん便にしろ、この本にしろ、世間に問いを投げかけるには、絶好の機会だと思います。

先日お寺さんの集まりで様々なお話を伺っていたのですが、特に記憶に残ったのが、「長い間仏教界はあぐらをかいてきた。浄土宗の僧侶なら、ビシッと背筋を正して、しっかり正座せんにゃぁいかん!正座せにゃぁ!」というお言葉です。まさしくその通りです。

「諸行無常」が仏教の理ならば、お寺だけが例外ではありません。瑞相寺も必要とされるならばこの先ずっと法灯は続いて参るでしょうし、不必要ならば淘汰されるでしょう。必要とされるようなお寺でありたいです。